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『アメリカのパイを買って帰ろう』

ちまちまと読んでいる駒沢敏器。
8月に4冊目を読了。

最初に読んだのは『地球を抱いて眠る』で、これを読んで以来、すっかりハマってしまった私です。
小説はけっこう重くて、ああ、なんかいろいろ抱えているなぁ、という印象でしたが、ノンフィクションの方は、“自然”に関わる題材が多いことと、その語り口が静かで淡々としているせいか、心にまっすぐ入ってきて、(先日書いた)美術館の中みたいに、知らず知らず没頭して、いつの間にか別の世界に入っているような感じです。

さて、今回の本は、副題が「沖縄 58号線の向こうへ」とあるように、沖縄が舞台です。

しかも、かつてアメリカに占領されていた土地としての沖縄がテーマ。沖縄の人たちが、いかにアメリカ文化を受け入れ、自分たちの生活に取り込んでいったか、その過程や痕跡(みたいなもの)が、それはそれは丁寧に書かれているのです。

おなじみのコンクリートブロックやスパムミートの話もあれば、初めて聞いたJimmyのアップルパイの話や、民間の英語専門局があったという話、それから、2007年に閉館した京都観光ホテル(沖縄にあるのに京都!)や、アメリカ軍人で大盛況のココイチなど、日本とアメリカのはざまにあった沖縄の特殊な事情もよく分かって面白かったです。

先に読んだ『街を離れて森のなかへ』がまた良い本で、世界に知られるギターを作る日本のギター専門メーカーの話とか、自然音を中心に流していたセント・ギガ開局当時の話、他にも森の話、水の話、京野菜の話、高野山の話など、やっぱり“自然”がらみの話ばかり(タイトルからして、そうか)でした。それだけに、考えさせられることも多かったかも。

それにしても、「惜しい人を亡くしました」というのは、まさにこういうことを言うのだな。この人には、もっとたくさん書いてほしかったと、つくづく思います。合掌。

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