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『共震ドクター ~阪神、そして東北』

あっという間に読み終わってしまった1冊。

以前ここでもご紹介した『救児の人々 ~ 医療にどこまで求めますか』(ロハスメディカル叢書01)を書いた医療ライター・熊田梨恵さんが、朝日apital でもおなじみの“町医者”長尾和宏さんとともに出された『共震ドクター ~阪神、そして東北』(ロハスメディカル叢書04)です。

長尾医師は阪神淡路大震災を経験された方で、今回の震災もとても他人事とは思えず直接に被災地を訪れ、現地で見聞きしたこと、感じられたことを綴っていらっしゃいます。

ひとつの章を、ご自身が経験された阪神大震災に充てているのですが、震災が起きた当日から数日間の(まるで野戦病院のようだったという)病院の様子、奥さんと2人の子どもの遺体を前に呆然と立ち尽くす男性を見て、涙が止まらなくなりながら患者の治療を続けた話など、読んでいて思わず涙が出ました。
私たち東京の人間からすると、阪神はもうすっかり復興したように見えていますが、実態はちっともそうではなく、(街も人も)未だに後遺症を引きずっているという話には正直驚きました。住民不在の復興計画でコミュニティが崩壊し、心を病んでしまった人もたくさんいるそうです。「今回の東北に阪神と同じ轍を踏ませてはならない」と、長尾医師は訴えます。

あまりにもいろんな要素が盛り込まれた本で、ここにはとても書ききれないので、ぜひ直接手に取っていただきたいと思うのですが、今回の震災で、義援金や見舞金がなぜすぐに支給されないのか、避難所から仮説住宅への移住がなぜ進まないのか、阪神のときと何が違うのか、他にも生活保護の話や東北気質についてなど、東北の復興を考えていくうえで必要な、だいじなだいじな話がたくさん書かれています。

相馬市長(3/22に「私は相馬市にとどまる」と宣言された方です)についての話にもとても感銘を受けました。震災発生のわずか3分後に対策会議を設置、震災4日後には、被災した市民に3万円の支援金を配布する案が市議会で可決(支援金を配布することにより、同時に安否確認もできた)、震災孤児のための条例を作ったのも相馬市が初めてだったとか…。
そんな相馬市長を見ていて、長尾医師は「自分の命を預けるつもりで真剣に首長を選ぶべき」だと思われたそうですが、この言葉は深く心に突き刺さりました。

もちろん原発の話にも触れていて、長尾医師いわく「医療問題と原発政策は共通する視点がある」と。「東電社員」と「勤務医」はとても似ている、と医療従事者ならではの見解をお持ちで、そのあたりのお話も興味深かったです。

参考:
長尾医師の連載blog 「町医者だから言いたい!
ロハス・メディカル ブログ

さて、こちらは、だいぶ前にちらっと書いたきりになっていた本。体調を崩しつつも、ちびちびと読み進め、少し前に読み終わっていました。小出裕章さんの本のあとだったので、まぁなんとなくその“おさらい”といった感じになりました。内容的にかなり重複があったんですよね。

ただ、資料として面白かったのが、巻末に載っていた「福島第一原発事故発生からの主な出来事」という年表。
3/11から5/11までの「主な出来事」と並べて、1号機~4号機それぞれの状態というのかな?・・・「ベント開始」とか「白煙が発生」とか、そのときどきの原子炉での出来事が書いてあります。

まぁそんなことで、原発についてはだいたいなんとなく分かってきて、やっぱりこれはダメだよ、ということまでは自分の中で決まっているのだけど、じゃあ他に何があるんだ?って考えると、まだまだ知らないことだらけなので、今度は自然エネルギーとか代替エネルギーの知識を仕入れようと画策しています。

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コメント

うさぎねこさん、書籍について書いてくださってありがとうございます。
この本は、長尾医師の被災地を思う熱い気持ちに突き動かされて出版されたものだと思っています。
仰るよう、今後の被災地支援だけでなく日本社会の在り方、私たちの生き方についてとても大切な要素が盛り込まれていると思います。
形だけの復興ではいけない、ということがすごくよく分かりますよね…。
私自身、「阪神すらまだ終わっていない」ということに驚嘆しました。
同じ兵庫県在住でありながら、ちっとも知らなかった自分にショックを受けました。

何かできれば、と思っている方はきっと多いと思うので、ぜひ多くの方にお手に取って頂ければと願っています。

book熊田さん
コメントありがとうございます。

>長尾医師の被災地を思う熱い気持ち

阪神と同じ目に遭わせてはいけない、というフレーズと
「棄民政策」という言葉が、何度も何度も出てきましたね。
行政はどうしたって「平等に」ということを考えますが、
ひとりひとり状況は違うのに「平等」とは、
なんて難しいことなのでしょう。

東北のことだけでなく、日本全体のこれからについて
また、私たちひとりひとりのこれからを真剣に考えるために
この本は、ぜひ私も多くの人に読んでもらいたいと思っています。

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