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「二十億光年の孤独」

有名な、谷川俊太郎の詩ですが…すごいわー。

「二十億光年の孤独」という詩は、もちろんこれまでにも何度か読んだことはありました。
でも、教えるのは今回が初めてで、それにあたっていろいろ調べていたら、深~い意味が分かってしまって、たったこれだけの字数の中に、こんなにたくさんの意味が含まれていたのかと、素朴に感動しました。

ちなみに、『二十億光年の孤独』は作者の第一詩集で、1952(昭和27年)の発表。この方は1931(昭和6)年生まれなので、まだ20代になりたての頃に発表されたわけです。

毒舌で有名なある演劇人が、「才能のある脚本家とは、処女作を見れば分かる。そこから花開いて上っていくことなど、ありえない。処女作が最高峰である。あとは、下るだけだ」と書いているそうですが、小説などでも似たようなことが言われますね。
それで行くと、才能のある人というのは、やっぱり最初からそうなのです。努力でなんとかなるものとそうでないものが、世の中には厳然としてあり、天才はやはり最初から天才なのです。もちろん、天才だって努力はします。ただ、努力できるのも才能のうちなんです。

ってことで、ご存じない方のために…。

     「二十億光年の孤独」

人類は小さな球の上で
眠り起きそして働き
ときどき火星に仲間を欲しがったりする

火星人は小さな球の上で
何をしてるか 僕は知らない
(或はネリリし キルルし ハララしているか)
しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする
それはまったくたしかなことだ

万有引力とは
ひき合う孤独の力である

宇宙はひずんでいる
それ故みんなはもとめ合う

宇宙はどんどん膨らんでゆく
それ故みんなは不安である

二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした

試験などで問題になるのは、第一連と第二連の対句的な関係、「ネリリし キルルし ハララしているか」という表現の効果、「くしゃみ」が意味するもの、といったところでしょうか。

 ― 或(あるい)はネリリし キルルし ハララしているか

の部分。恥ずかしながら、今回初めてその意味を知りました。いくつかの解釈があるので、絶対というわけではないのですが…実はこれ、第一連にある人類の行動と対応しているのですよ。
つまり、「眠り起きそして働き」の部分の、「眠り」と「ネリリし」、「起き(る)」と「キルルし」、「働き」と「ハララし」がそれぞれ対応していたのです!
いや~、私に詩を読み取る力がないだけなのかもしれませんけど、今までまったく気づきませんでした。ホントにお恥ずかしいsweat02

あと、最後に出てくる「くしゃみ」ですが、くしゃみはよく、人が自分の噂をしているときに出ると言われますよね。
今ここで、人類は火星人のうわさをしています。それにより、おそらく火星人は今頃くしゃみをしているのです。そして、最後に地球人の「僕」はくしゃみをします。ということは、火星人たちも今頃、私たち地球人の噂をしているに違いない、ということを暗示しているわけです。

・・・ってことはですよ、(これは私が勝手に思ったことですが、)題名には「孤独」と謳っているものの、実際には私たちは孤独じゃないんじゃないか、というメッセージを私は感じました。

皆さんはどのように思われますか?

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コメント

こんにちは、それでは、先生は以前「ネリリし キルルし ハララしているか」をどんな風に読んでいらしたかが気になってしまいました~。私などただただチンプンカンプンで、孤独というわりには寂しく無いじゃん、、位の感想で、、、。

★ふたごママさん

どんなふうも、こんなふうも…ああ、谷川さんらしく面白い音を使うなぁ、ぐらいなもんで、じつは意味なんてあまり考えてなかったのですよ。。(^^ゞ
「ネリリ」「キルル」「ハララ」も、火星人だからこういうイメージなのか、としか思いませんでした、、はい。

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